シャーメゾンに入居するにあたって「加入しておいてください」と火災保険の申込書を渡されることがあります。
火災保険は強制加入の保険ではない
火災保険は強制加入の保険ではありません。
強制保険とは「一定の条件下にいる者が法令により加入することが義務付けられている保険」のことです。自動車賠償責任保険(自賠責)、公的医療保険、労働者災害補償保険(労災)などは強制保険です。
火災保険は任意で加入する保険であり、住宅を購入するときも借りるときも、法律で加入が義務づけられているわけではありません。
とはいえ、日本の火災保険加入率は80%を超えているというデータがあります。
入居の条件になっているなら加入は必須
法律で義務づけられていなくても、賃貸物件に住む場合は話が別になります。
賃貸物件では、自分の判断基準だけではなく大家さんの意向が関係してきます。たいていの大家さんは入居者に対して「火災保険への加入」を入居条件に加えています。シャーメゾンオーナーも同じです。
火災保険に加入すべきことが賃貸借契約書の約款によって定められていることが多いです。
賃貸借契約書とは
賃貸物件を借りるための契約書のこと。内容は物件ごとに異なるが、賃貸する際の条件について記載されている。
火災保険への加入が必須になっている場合、不動産会社の担当者から火災保険の申込書が渡されることがあります。
担当者が火災保険の申込書を渡してくることには、少なくとも2つの理由が関係しています。
- 火災保険への加入をしっかり見届けたい
- 提携している保険会社がある
賃貸借契約書の内容に沿って、不動産会社側は入居者が火災保険に加入したことを見届ける必要があります。なので「申し込んでおいてくださいね」と申込書を渡すことがあります。
もう1つの理由は、提携先があるから。シャーメゾンは積水ハウスのブランドですが、積水ハウスには「シャーメゾン少額短期保険株式会社」というグループ会社があります。グループ会社が扱っている火災保険に加入してほしい!と思うわけです。
不動産仲介会社によっては、保険を紹介することで手数料をもらっていたり営業パーソンの成績にプラスになったりすることがあります。
シャーメゾンライフGUARDを勧めてくるかも
積水ハウスのシャーメゾンへの入居を希望すると、火災保険はシャーメゾン少額短期保険株式会社の「シャーメゾンライフ GUARD」を紹介される可能性があります。
私も、最初に入居したシャーメゾンではマストガード(今のシャーメゾンライフ GUARD)に加入しました。
ではシャーメゾンライフ GUARDが数ある賃貸入居者向け火災保険の中でベストかというと……じつはそうではありません。特徴や契約タイプ、補償内容を見る限り、他社の保険商品より割高です。
契約を検討する場合は、かならずシャーメゾン少額短期保険株式会社の公式ページや受け取ったパンフレットで詳細を確認してください。
担当者が勧める保険に入る必要はない
賃貸借契約書の約款によって火災保険への加入が必須になっているとしても、保険会社が指定されていることはまず考えられません。シャーメゾンショップなど不動産会社の担当者がまるでシャーメゾンライフ GUARDしか認められていないかのような口ぶりで勧めてくるかもしれませんが、実際は入居者が任意で保険会社を選べるのです。
補償内容も個人で決定できます。
賃貸入居者向け火災保険はいろいろな会社が販売している
賃貸物件に引っ越しする人向けの火災保険は、シャーメゾン短期少額保険株式会社だけではなくいろいろな会社が販売しています。
- チューリッヒ少額短期保険株式会社(ミニケア 賃貸保険)
- AIG損害保険株式会社(リビングパートナー保険)
- 楽天損害保険株式会社(リビングアシスト)
- 三井住友海上火災保険株式会社(リビングFIT)
- 日新火災海上保険株式会社(お部屋を借りるときの保険) など
私はチューリッヒ少額短期保険を選んだ
私はチューリッヒ少額短期保険を選びました。
理由は単純で、保障内容に対して保険料が安かったからです。年間4,000円程度で済みました。シャーメゾン少額短期保険の「シャーメゾンライフ GUARD」が2年間で18,000円くらいだったので、年5,000円もお得になった計算です。
このように、不動産会社の担当者が勧める火災保険に加入することには「割安な保険料の会社を勧めてくれるとは限らない」というデメリットがあります。
一方で、担当者が勧める保険に入るメリットがあるのも事実です。
どの保険がベストか、絶対的基準はありません。ある人にとっては「最安値」が最優先事項かもしれませんし、他の人にとっては「安心」かもしれません。お世話になっている担当者への義理を重視する人もいるでしょう。
大切なのは自分にとって“良い”保険を選ぶことです。仮に火災保険への加入が任意になっているとしても、やっぱり加入しておきたいものです。
任意だとしても加入しておこう
火災保険に入るのは①自分と家族のため②住人同士お互いのため③大家さんのためです。
【前提1】失火責任法について
日本には「失火責任法」という法律があります。この法律のおかげで、重大な過失ではない火災の場合は損害賠償を請求されずに済みます。
とはいえ、すべての火災に対して失火責任法が適用されるわけではありません。そこで助けになるのが民間の保険会社が提供している火災保険です。
【前提2】火災保険は3つの補償が1つになったもの
火災保険は、「家財保険」「借家人賠償保険」「個人賠償責任保険」の3つがセットになっています。
火災保険によって原状回復義務を果たせる
自分の部屋が火元になってしまったとき、重大な過失が認められなければ損害賠償請求されずに済みます。でもだからといって何の義務も負わずに済むわけではありません。
賃貸借契約書には原状回復義務について明記されています。賃貸住宅に住んでいる場合は「借りている部屋は原状回復して退去しなければならない」という契約の縛りがあります。ですから、退去の際には焼けてしまった部屋を元通りに戻さなければなりません。当然そのためには多額の費用がかかります。
火災によって部屋に損害を加えてしまった場合に助けになるのが「借家人賠償保険」です。この保険によって部屋の損害が補償されます。
たしかに火災保険は自分や家族のためになります。
火災保険によって自分の家財を補償してもらえる
これも想像したくない点ではありますが、火災が起きると自分の部屋の家財が被害を受けます。
失火責任法があるので、重大な過失でない限り火元となった人に「うちの家財を弁償して!」と迫ることはできません。そんなとき、家財の補償をしてくれる「家財保険(火災保険の一部)」があれば安心です。泣き寝入りせずに済みます。
火災保険はお互いの安心につながる
集合住宅のすべての世帯が火災保険に加入していることで、お互いに安心して暮らせます。もし自分の部屋の隣の住人が火災保険に加入していなかったら、万が一の時に不安ですよね。誰が損害を賠償してくれるんでしょう。
もし自分が火災保険に入っていなくて、その事実をお隣さんが耳にしたら、お隣さんが不安に包まれることでしょう。
火災保険はお互いの安心につながります。
火災保険は大家さんの安心につながる
火災保険は大家さんの安心にもつながります。
住人が火災保険に入ろうとしないなら、大家さんは「この人は原状回復してくれないかもしれない」「この人に火を出されたら悲惨だ」と不安になります。
だからこそ、ほとんどの大家さんは火災保険への加入を入居条件にしているのです。
大家さんが保険会社から手数料をもらっている場合は別として、入居者が火災保険に入ることよって大家さんが儲かるわけではありません。
自分に合った補償内容にしよう
どの保険も「いざというときに備えるために買う」ものなので、いざというときに十分な補償内容になっているかどうかが重要です。
ただ、自分に合った火災保険と言われても難しいですよね。私がチェックしたポイントを参考として紹介します。
①家財保険の補償金額と自分の家財の価値が合っているか
チェックしておきたい1つ目の点は「家財保険の補償金額」と「自分の家財の価値」が合っているかどうかです。
極端な例になりますが、自分の家財を合計すると200万円くらいなのに、家財保険の補償額が1,000万円になっているとしたら、補償が過剰ですよね。実際の家財の価値分だけしか保険金は下りませんので、多めに補償をつけても意味がありません。
補償額が多ければ多いほど保険料が高くなるので、「家財保険の補償はいくら必要か」考えてみてください。
②借家人賠償保険の金額が低すぎないか
その次にチェックしたのは「借家人賠償保険」の部分です。
要するに、火事で部屋に損害が出てしまった場合、保険で損害分をカバーできるかどうかということです。借家人賠償保険の補償額が低すぎると、保険では損害をカバーしきれず、残りは実費負担になってしまいます。
正直なところ、部屋に合った金額は素人にはわからないものです。
たいていの保険では借家人賠償保険の金額が1,000万円~2,000万円に設定されていますが、この部分は不動産仲介会社の担当者か保険会社の担当者に尋ねてみるのがおすすめです。
③個人賠償責任保険が重複していないか
もう1つチェックしたのが「個人賠償責任保険」です。
個人賠償責任保険とは、普段の生活で他の人にケガをさせたとか物を壊して賠償責任が発生したときに、賠償金や弁護士費用などを補償してくれる保険のことです。日常生活のリスクに備えるために心強い保険と言えます。
この個人賠償責任保険ですが、すでに加入しているほかの保険とセットになっている場合があります。そのような場合、火災保険から個人賠償責任保険の部分をカットするか補償額を減額できるかもしれません。
補償が重複していても二重で支払われることはありません。見直さないともったいないです。
地震保険は必要か
火災保険に加入するときにセットで検討されるのが地震保険です。賃貸住宅の場合、地震保険への加入は任意になっていることが多いです。
火災保険は火災による建物や家財の損害を補償してくれる保険であって、その中には地震による火災は含まれていません。
地震保険はけっこう複雑です。地震保険は単独では入れず、火災保険とセットでないといけません。短期少額保険では地震保険は用意できないので、短期少額保険のシャーメゾンライフ GUARDでは特約として付けることができません。地震補償保険というものがあるのですが、地震保険との違いを理解しておかないと検討できません。
地震の際の備えも万全にしておきたいというなら、不動産仲介会社の担当者に相談するのではなくファイナンシャルプランナー(FP)や保険相談サービスの窓口で確認してみてください。
身近なところでは、ほけんの窓口で地震保険について相談できます。
ほかにもいろいろな相談窓口があるので、お気に入りを1つ選んで相談してみましょう。
念のため解約や変更の条件を確認しておくと安心
念のため、解約や変更の条件を確認しておくと安心です。
保険期間内に退去して別の賃貸物件に引っ越す場合に保険は引き継げるのか、戸建住宅や分譲マンションの購入によって退去する場合に解約したら保険料は戻ってくるのか、こんな点をチェックしておくと安心です。
火災保険への加入を済ませたら、いよいよシャーメゾンライフの始まりですね!
快適な生活を存分に楽しまれますように!
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