世帯主とは、「年齢や所得にかかわらず、世帯の中心となって物事をとりはかる者として世帯側から報告された者」です。
・・・とか言われても・・・なんのこっちゃ!ってなりますよね。
きっとあなたが知りたいのは「世帯主の意味」ではなくて、「世帯主の欄ってどうやって書けばいいの?」「私の世帯主ってだれ?」という疑問の答えだと思います。
いま手にしているのは会社に提出しないといけない「給与所得者の扶養控除申告書」でしょうか? それとも確定申告に関係する書類でしょうか?
じつは、書類によって世帯主の欄の書き方が変わってくるんです。その点を含めて、あなたが世帯主の欄をバッチリ仕上げることができるようこの記事でサポートしますね。
世帯主の調べ方
「世帯主」の項目に記入するためには、まず自分の世帯主がだれか調べないといけません。
世帯主を調べる方法は2つあります。
- 親に聞く
- 住民票で確認する
親に聞く
親に聞けば、すぐに解決します。
「ねえ、私の世帯主ってだれ?」と聞けばいいだけです。
「お母さんよ」
「お父さんに決まってるじゃない」と答えてくれます。
でも、事情はわかりませんが・・・もし親に聞くのが難しければ、自分で調べることもできます。それが住民票です。
住民票で確認する
世帯主は「住民票」で確認できます。住所や世帯主など、自分の居住関係を記録したものが住民票です。
今までに住民票を見たことがありますか?
もしなければ、せっかく社会人になるわけですし、勉強も兼ねてこの機会に見てみるといいですよ。
住民票は、自分が住んでいる市町村の役所や出張所、地域センター(サービスセンター)等で取得できます。取得には本人確認書類が必要なのと、300円程度の手数料がかかるので注意してください。
市町村によっては、コンビニで交付してもらえます。
親に聞くか住民票を見れば、自分の世帯主がだれか知ることができるので、ホッと一安心ですね!
・・・と言いたいところですが、
「世帯主」の欄の隣をみると「続柄」と書いてありませんか?
続柄(つづきがら)にはなんと書けばいいか
世帯主を書く欄の近くには「続柄」という欄があります。ここ、なんて書けばいいかわかっていますか?
続柄は要注意ポイントです。
いま記入しようとしている書類が何かによって書き方が変わってくるからです。
※続柄とは、簡単に言えば「関係性」のことです。
扶養控除申告書には「あなたとの続柄」を書く
あなたが「給与所得者の扶養控除等申告書」を目の前にして迷っているなら、用紙をよく見てください。
そこには「あなたとの続柄」と書いてあるはずです。
これはつまり、「あなたから見て世帯主ってどういう関係の人」かどうかを尋ねているのです。
もしお父さんが世帯主なら、あなたから見て父なので「父」と書きます。お母さんなら「母」です。
確定申告は「世帯主との続柄」を書く
たぶん今の段階(新卒)で確定申告の書類を手にしていることはないと思いますが、参考までに触れておきます。
確定申告の書類では、「世帯主との続柄」を書くようになっています。これは、「世帯主からみてあなたはどんな人?」と尋ねているわけです。
世帯主自身は「本人」と書き、親が世帯主なら「子」と書きます。もっと正確に「長女」とか「二男」などと書くこともできます。
「世帯主」の項目を書き間違えてしまうと
「給与所得者の扶養控除等申告書」の「世帯主」の項目を書き間違えてしまうと、修正や再提出を求められることがあります。
とはいっても、間違えてしまったら一巻の終わり・・・とまで深刻に考える必要はありません。
もし修正しないといけない箇所があることに気づいたら、その時点で書き直して提出すればいいだけなんです。
じつは、書き間違い以外にも、給与所得者の扶養控除等申告書を再提出しないといけない状況が考えられます。
それはつまり、「あなたの世帯主が変わる」という状況です。
一人暮らしを始めるとあなたが世帯主になる
もしあなたが就職をきっかけに実家を出て一人暮らしを始めるとしたら、その場合は世帯主が変更になります。
なんと、あなたが世帯主になるんです!
もういちど世帯主の定義を振り返ってみると、世帯主とは「年齢や所得にかかわらず、世帯の中心となって物事をとりはかる者として世帯側から報告された者」でした。
そしてここで、「世帯」の意味を確認しておきましょう。世帯とは「住居及び生計を共にする者の集まり又は独立して住居を維持し、若しくは独立して生計を営む単身者
をいう」となっています。
つまり・・・あなたは独立をして生計を営む単身者になるわけですから、立派な世帯主になるんです!
※厳密に言うと、一人暮らしを始めて住民票を移動させることで世帯主になります。
給与所得者の扶養控除等申告書を書いている時点では実家にいても、その後自分でお部屋を探して一人暮らしを始めるとしたら、その時には書類を書き直さないといけないわけです。
面倒ですが、社会人の務めとしてこのあたりはキッチリとこなしてくださいね。
世帯主に関連してよくある質問
世帯主に関連してよくある質問をまとめて取り上げます。
一人暮らしを始めると、自動的に自分が世帯主になるのですか?
一人暮らしを始めたら自動的に自分が世帯主になるわけではなく、「住民票を移すかどうか」で決まります。
一人暮らしをきっかけに新居がある住所に住民票を移すなら、届け出と共にあなたが世帯主になります。でももし何らかの都合で住民票を移動させないなら「世帯」とはみなされないので、引き続き親が世帯主になります。
世帯主変更に関する届け出はどこでできるのですか?
世帯主変更に関する届け出は、住民票がある市町村の役所やサービスセンターで行なえます。
新居で世帯主変更をするときには、まず住民票を移動させてください。
一家につき世帯主は1人までですか?
世帯主は一家につき1人とは限りません。生計を共にしていても「世帯主になりたい」という人が複数いれば、全員世帯主になれます。
世帯分離とは何ですか?
世帯分離とは、住民票に登録されている1つの世帯を2つ以上の世帯に分ける(分離する)ことを指します。
1つの世帯に世帯主が2人以上いて、それぞれの世帯主が独立の生計を営んでいるという条件のもと、市町村の窓口で申請すれば世帯を分けることができます。
主に保険料の軽減を目的として世帯分離が考慮されます。
世帯合併とは何ですか?
世帯合併とは、住民票上で1つの住所に2つの世帯がある場合、その2つの世帯を1つに合併することを指します。
市町村の窓口で申請すれば世帯を合併することができます。介護費用の軽減などを目指して世帯合併が行われるケースが増えています。
さいごに:新卒1年目でも、世帯主の意味を理解しておこう
新卒1年目から「世帯主とは何か」を理解しておけば、今後の生活でも役に立ちます。
とにかく社会人になってすぐは学ぶべきことがたくさんありますが、手続き系の情報もしっかりおさえながら社会で活躍していきましょう!