最近、漢方薬を積極的に処方する医師や医療機関が増えていることを知っていましたか?
病院によっては、「漢方外来」「漢方内科」という診療科目を加えているところもあります。
今回は、「漢方内科とは」というテーマで書いていきます。簡単に理解できるよう、簡単な内容にしています。
1.漢方内科とは
漢方内科とは、一言でいえば「漢方薬で治療する内科」のことです。
西洋医学では、基本的に病気の症状に対する治療を行います。
それに対して、漢方では病気の兆候に対して自然治癒力を高めることによって治療していきます。
西洋医学と漢方のどちらが優れているかという発想ではなく、それぞれの患者さんの状況に応じて使い分けるクリニックが出てきています。
「内科」をメインの診療科にしていて、その中に「漢方内科」を設けているところもあります。
普通、病院に行って診察を受けると、聴診器による診察が始まりますが、漢方内科では以下のような診察を行うことがあります。
- 舌診(舌の状態を観察する)
- 脈診(脈をみる)
- 腹診・背候診(腹部や背中の観察や触診)
2.どんな人が受診するの?
漢方内科は、どんな人でも受診できます。何かの病気で治療中でも、相談に出かけていくことができます。
中でも、次のような人によく利用されています。
- 原因がよくわからないけれど、だるいし疲れやすい
- 健康診断の結果では異常がなかったけれど、なんか不調だ
- アレルギーや喘息に悩まされている
- この機会に体質改善をしたい
なんでも気になることを相談するカウンセリング的な利用の仕方もあります。
漢方内科では身体の特定の部位ではなく全体を診ようとしますので、患者さんが語る心身についての話をよく聞いてくれます。
3.どこにあるの?
いま住んでいる街や、通勤で利用する駅周辺で「漢方内科」「漢方外来」で検索してみてください。
いままで意識していなかっただけで、調べてみると意外と近くにあるかもしれませんよ。
クリニックによっては、事前にウェブサイトから「漢方外来問診票」をダウンロードできることがあります。
あらかじめ記入して出かけていくとスマートです。
漢方内科では、1人の患者に対して20分程度を診察に使うことがあります。
自分にとっては丁寧に診てもらえるので嬉しい限りなのですが、裏を返せば待ち時間が長い可能性があります。
時間の余裕があるときの受診をおすすめします。
4.どんな医師がやっているの?
どんな医師が漢方内科をやっているのでしょうか?
日本には「一般社団法人 日本東洋医学会」というのがあって、専門医認定制度・認定医認定制度を設けています。
どの医師が認定されているか、公式サイトで調べることができます。
これらの医師は、ただ東洋医学だけを学んでいるのではなく、まず西洋医学において医師としての免許を取得して経験を積んだうえで、さらに漢方医になるための訓練と経験を積んでいます。
それで、バランスの取れた医師は、「西洋」「漢方」のどちらかにこだわるのではなく、患者さんにとって最適な治療プログラムを組み立てることができます。
もちろん、日本東洋医学会に認定されていない医師の中にも、同様の訓練と経験を積んで地域医療に貢献している方たちがたくさんおられます。
5.初めて行くときの注意点はある?
初めて出かけていく時に、とくに注意すべき点はありません。
あえて言うなら、「お薬手帳」を持っていきましょう。
医師の問診に上手に答えられなくても大丈夫です。
自分が「なぜ漢方内科に興味を持ったか」伝えると、医師も喜んでくれることでしょう。
身体の悩みを、思いつくままに話すことができます。
医師から尋ねられることについては、見栄を張らずに正直に答えましょう。
顆粒の漢方薬の処方なら、仮に4種類を1か月程度処方されるとしても、診療費用と合わせて合計5,000円以内には収まります。
そうであればなおさら、行ってみないと損な気がしませんか?
6.漢方内科に行くデメリットはある?
漢方内科に行くデメリットはあるのでしょうか?
たとえば、こんな点はデメリットになり得るかもしれません。
- 漢方を飲むことになる(苦いかも)
- 待ち時間が長いかも
- 医師からいろいろ聞かれるかも
- 治療期間が長くなるかも(半年~1年で様子を見る)
- すぐに思うような変化を経験できないかも
医療にはそれぞれ特徴やメリット・デメリットがありますが、各自の良識に従って判断することが大切です。
また、命に影響を及ぼすような症状・疾患については、自身の見解にこだわるのではなく医師の指導に服するようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は「漢方内科とは」というテーマで、必要な情報だけを紹介してきました。
必要な時に必要な治療を受けながら、そして日々の生活で健康に気をつけながら、健やかで実りのある人生を送りたいものです。
その1つの助けとして、漢方内科を生活に取り入れる人たちがいます。
この記事が少しでも今後の助けになれば幸いです。